ゲルマニウムは、半導体性質を有する元素で、シリコンが登場するまでトランジスタに用いられていました。現在でも、電圧降下が小さいという特徴を生かしてダイオードやバンドギャップが比較的狭いことから光検出器などに用いられています。ゲルマニウムの化学的性質はケイ素と類似していて、過剰に吸収すると植物や動物に有害であるといわれています。
ゲルマニウムは構成成分に炭素を含まない無機ゲルマニウム化合物と炭素を含む有機ゲルマニウム化合物に分類されます。
ゲルマニウムが人体に必要かどうかは不明で、摂取不足による影響なども報告されておりません。普段の生活のなかで、食品を起源とするわずかなゲルマニウムを摂取しているといわれています。
健康食品による過剰摂取が健康障害を引き起こしたとの報告があり、1988年に厚生省が下記の局長通達を発行しました。
と通知されていて、使用禁止はされていない状況となっています。ゲルマニウムの最少有害作用量(LOAEL)は、1日あたり1~4mgGe/kg体重で、1日当たり4mg/kg体重以上を摂取した7例のうち4例が亡くなっていると報告されています。
経口摂取された無機ゲルマニウム化合物は、吸収されやすく、全身に広く分布し、脾臓に蓄積され、その後腎臓から尿中に排泄されます。有機ゲルマニウム化合物の体内動態については詳細は不明といわれています。
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